学生の一日

「学生の4年間」で述べたように,学生生活は13年生と4年生以上で大きく変わります.13年生のときは,早ければ朝8:50から開始される1時限目に出席し,遅ければ夕方4:10に終わる4時限目までの授業が続きます.2時限目と3時限目の間には1時間の昼休みがあり,多くの学生は生協(生活協同組合の略)が経営する学生食堂で昼食をとります.1時限目と2時限目,3時限目と4時限目の間には10分間の休憩があり,その間に別の授業を受けるために部屋を移動したりします.ただし上のように4つの授業に全て出席する日はあまり多くなく,平均3つ程度と思われます.空いた時間をのんびり過ごすこともできますが,多くの授業では宿題が出されるので,それをこなすために図書館に向かう学生も多いでしょう.23年生では水曜日と木曜日の34時限目が必修の実験科目となっており,実験終了後にはその次の週までにレポートを提出する必要があります.夜,自宅やアパートに帰宅した後,これに時間を割く学生も多いはずです.また13年生には,課外活動を行う学生も数多くいます.大学には本格的な体育会系部活動から数人で運営するサークル活動まで様々な課外活動があります.授業の合間,あるいは夕方以降に,サークル棟に向かう学生も多いでしょう.さらには学費や小遣いを稼ぐためのアルバイト,友人との交友など個人の楽しみのために空き時間や夜の時間を過ごすことも,個人責任の範囲においてもちろん可能です.

 

4年生になり研究室へ配属されると,多くの場合,授業への出席は週に2つ程度以下と極端に減り,学生は主に研究室へ出向くことになります.研究室では先生と大学院生が常時,研究を行っており,それに参加するわけです.研究には授業のような明確な時間割はありません.これから後は,先生や大学院生との相談になります.よりよい研究成果を挙げるにはこまめに,熱心に研究しなければなりませんが,自分に割り当てられた研究テーマが特別な時間的制約をもたない場合,1日の時間の使い方はほとんど自由になります.ただし先生や大学院生との議論は,研究を円滑に進める上で不可欠です.このため多くの研究室では,輪講と呼ばれる勉強会や研究報告会を週に12回開き,専門的な技術を向上させると共に,お互いの研究の進行状況をチェックしています.また共同生活のような状況ですから,研究だけでなく,飲み会,旅行など,様々な楽しみの機会が出てくるでしょう.13年生の間,淡々と勉強してきた毎日から活動的な毎日へと大きく変化するため,大学に対する認識が一変する学生も数多くいるようです.

 

上のような通常の学生生活の他に,本学科には飛び級制度があります.これは3年生修了後に4年生をスキップして,大学院へ進学する制度です.2年生までの成績が優秀な学生のみ,この飛び級に挑戦する権利を与えられます.大学院入試を3年生のときに受験し,これに合格することが必要です.さらに3年生の末までの成績と半年間の短期研究において十分な能力が認められれば,飛び級が認められます.最近では,毎年34名の飛び級者が出ています.一方,4年間では卒業できない留年生も全体の10%以上にのぼります.留年の主な原因は,勉強不足により必修単位が取得できない,全体の単位数が足りないなどです.本学科では,13年生の間に進学のための特別なハードルが設けられていません.ただし実験のように各学年で同じ時間帯に組まれている必修科目の単位取得に失敗すると,自動的に留年となってしまいます.また卒業研究に就く際には必要単位が決められています.在学が認められる期間は長くても8年間で,その後は自動的に除籍(その学生の全記録の抹消)となります.このようなことにならないよう,日々の地道な勉強,自分自身のコントロールが大切です.