フォトニックナノ構造フォトライブラリー
本研究室では,創設以来,徐々にナノ構造プロセスを磨き,フォトニック結晶をはじめとするフォトニックナノ構造をナノメートル精度で作製できるようになりました.以下はその経過を表す写真集です.
1994〜1995 |
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フォトニック結晶を作るために電子ビーム描画を行ったレジストSAL601のドットパターン. |
本研究室で初めて作製したフォトニック結晶(InP系).発光特性の評価に成功. |
パルス電流で発振するマイクロディスクレーザ.直径3mm.初めて発振したときの感動は忘れがたい. |
Cl2 ECRエッチングで形成したレーザのDBR反射鏡.この後,多くの類似研究が行われた. |
多層構造エピタキシーと選択ウェットエッチングによる垂直共振器. |
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1996〜1998 |
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CH4
ECRエッチングで形成した円柱2次元フォトニック結晶.当時は円柱型を研究する機関が多かった. |
マイクロディスクレーザを直径2mmまで微小化.現在も電流で発振する最も小さいレーザかもしれない. |
本研究室で提案したマイクロディスク近接場プローブの試作. |
微細組み立てプロセスで作製したマイクロミラーデバイス.10V以下の駆動電圧,100Hz程度の応答速度で5°以下の偏光角度を実現.右は偏向されたHe-Neレーザビームの様子. |
1999〜2000 |
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Cl2
ICPエッチングで可能になった高アスペクト比.ただし以降,円柱フォトニック結晶は作っていない. |
円孔型2次元フォトニック結晶スラブの試作.その後,世界的にフォトニック結晶の基本構造として定着. |
InP系フォトニック結晶スラブに作製した世界初のフォトニック結晶導波路.光伝搬の観測には興奮した. |
InP系フォトニック結晶レーザの試作.実際の発振にはこの後,2年以上の歳月を要した. |
ICPエッチングのおかげでDBRが綺麗に形成できるようになった.レーザのしきい値低減にも貢献. |
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1998年に初の室温連続動作を実現したマイクロディスク.当時の記録的な低しきい値40mAを実現. |
今日のフォトニック分子につながる二重ディスク.このときは加工の難しさから,試作のみで終了. |
SOI基板に貼り付けられたInP系マイクロディスク.今日のSiフォトニクスレーザの原型的研究. |
円弧を接続させた光集積回路の試作.エバネッセント結合による光ディスクからの光取りだし. |
現在,世界的話題のSiフォトニクス.本研究室初のSi細線導波路.曲げ導波路の容易さに驚く. |
2001〜2002 |
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フォトニック結晶レーザパターン.なかなか発振しないのに,写真はサムコ社の宣伝に頻繁に利用される. |
2002年の年の暮れ,ようやくH2型共振器でパルス光励起による発振に成功. |
フォトニック結晶によるLEDの光取りだし向上.この研究の後,多くの機関が類似のLEDを開発. |
2000年からSOI上フォトニック結晶導波路が世界の主流に.本研究室は単一線欠陥の光伝搬を詳しく分析. |
Si細線による微小低損失分岐が完成.これにより,Hツリー型光信号分配回路の実証に成功. |
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ずっと電流注入にこだわってきたマイクロディスクだが,光励起を試したらあっさりと室温連続動作. |
マイクロディスクの側面に回折格子を刻んだマイクロギア.Q値の向上により,低しきい値の記録を更新. |
高分解能SEMの導入により,写真の精細度が向上.マイクロギアの5層量子井戸がくっきり見える. |
電流注入マイクロディスクをBCB樹脂で埋め込み,電極パッドを形成して発振に成功.アサーマル化も検討した. |
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2003〜2004 |
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APLのカバーを飾った準周期フォトニック結晶 |
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単一点欠陥フォトニック結晶レーザの発振に成功.ただしこの時点ではプロセスが未熟で,かなり不完全. |
導波路のモードギャップで共振器を作るアイデア.今では広く使われているが,これは本研究室の2002年のオリジナル. |
高次の回転対称性をもつ準周期フォトニック結晶を利用した微小レーザ.比較的簡単にパルス発振に成功. |
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専用ICPエッチングの導入とSF6ガスの利用で品質が大幅に向上したSOIフォトニック結晶導波路. |
InP系フォトニック結晶共振器と導波路の結合系でキャリアプラズマシフトを観測した初めての実験. |
面発光レーザ(VCSEL)の表面にフォトニック結晶構造を刻み,単一モード世界最高出力を達成. |
理研,物材研との共同研究で作製したウッドパイル型3次元フォトニック結晶.InP系材料のバーをマイクロマニピュレーション法で組み上げた.ミクロのプラモデルと呼ばれた. |
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マイクロギアを形成する直前のメサ.Cl2 ICPエッチングの最適化で垂直性が向上. |
微小化を進めたマイクロギアーレーザ.当時の光励起レーザの最低しきい値記録11mWを記録. |
Si細線導波路を宙に浮かせる梁として開発した楕円交差構造.現在は交差の主流として世界中が採用. |
AWGのために作製したSi線曲げ導波路群.半径数mmの曲げが容易に得られる. |
AWGを従来の1万分の1に縮小した世界初のSi細線AWG.この後,性能が向上.いまは多くの機関が研究中. |
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2005〜2008 |
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2度目のAPLカバーを飾ったH0フォトニック結晶ナノレーザ |
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50kV FE-EB描画装置の導入で,Siフォトニック結晶スラブの平滑性,垂直性,真円性はナノメートルレベルへ. |
SOIフォトニック結晶導波路をさらに高品質化. |
一見,普通のフォトニック結晶導波路.ただし微妙な構造調整を施すことで分散のないスローライトを発生.非線形も増大. |
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光パルスをスローライト化するチャープ構造方向性結合器.要求される構造精度はまさにナノメートル級. |
スローライトパルスとそのチューニングをまさに実証したフォトニック結晶結合導波路.光バッファーに向けて加速. |
フォトニック結晶の負の屈折現象を利用したスーパーレンズ動作を初めて明瞭に観測(右).入射端の最適化には長年の苦労が. |
格子をシフトさせただけのInP系H0フォトニック結晶ナノレーザ.H1を超える極限微小モードを確認. |
HIエッチングでH0ナノレーザの室温連続動作を達成.実効しきい値は1mW.モード強度は背景の+50dB. |
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HIガスの導入でInP系エッチングがレジストマスクのみで可能になった.直径200nm孔のアスペクト比が最大15. |
MOCVDバットジョイント技術によるフォトニック結晶スラブ初のアクティブ/パッシブ集積.レーザの高効率動作を実証. |
フォトニック結晶ナノ共振器を結合させたフォトニック分子.最近,結合共振器導波路として話題が増している. |
マイクロディスクを結合させたフォトニック分子.ディスク間隔は100nm以下.結合モードや双安定動作を観測. |
Si細線AWGのレイアウトを最適化.サイズを据え置き,サイドローブを-20dB以下,損失を1.5dB以下に低減. |
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2009〜 |
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ナノレーザに幅30nmのナノスロットを導入.光の局在がますます高まり,センシングや光圧力の実験の可能性が広がる. |
ナノスロットの拡大.HIエッチングの効果で30nmまでのエッチングは楽々. |
HeLaは癌細胞.何でこれが本研究室に!?というシロモノ.半透明で,これが人智を超えた機能を発揮するとは想像できない.その中身をナノレーザで探る. |
HeLaの残骸が貼り付いたナノレーザ.カビついた廃墟を思わせる景色. |
これはなかなかうまく細胞の付着が見えている例.怪しい雰囲気. |
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2010年本研究室は世界に先駆けてCMOSシリコンフォトニクスプロセスを利用したフォトニックチップを作製!8インチSOIウエハにびっしりと製作されたフォトニック結晶導波路は10万本. |
8インチウエハからダイシングによって切り出されたフォトニックチップ.様々な機能が搭載可能. |
これによりフォトニック結晶機能デバイスを含む高度な光集積が初めて可能に! |
ヒーターやpn接合の集積が自在に. 2000年がフォトニック結晶やシリコンフォトニクスが世界舞台に躍り出た元年だとすれば,2010年は両者が融合した第二期の幕開け. |
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CMOSプロセスを利用した作製した新時代のフォトニック結晶導波路.スポットサイズ変換器付きSi細線との接続で,ファイバー間挿入損失は10dB程度まで減少. |
端正な形状のCMOSフォトニック結晶.精度はEBプロセスにやや劣るものの,再現性,均一性が圧倒的に優秀.様々なデバイスとの集積で機能を狙える点は画期的. |
フォトニック結晶の非線形増大では,三次高調波発生によって光通信波長帯の光が緑色に変換されることがシドニー大から報告されている.やってみたら確かに緑の点が現れた. |
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